魔女の小さな冒険

魔女のちいさな探検

ゆっくりゆっくり進みます。

黒田登志雄の『結晶は生きている』

 黒田登志雄先生の『結晶は生きている』を読みました。学生時代、連載版を読んでいたので、パラパラ見て、大差無いかなと思っていたのですが、こちらの本の方が、雪の結晶に特化した記事が多いです。
 気になっていた、結晶表面の疑似液体層についての解説も、さらっと入っていました。0℃から-13℃までの形態変化を、表面の疑似液体層の有無で特徴付けています。そして、界面張力に温度変化があるとして、疑似液体層の存在可能な温度領域が決まるとしています。
 私の気になっていた、水は蒸発して氷は成長する低過飽和領域で、どうして疑似液体層が結晶成長に寄与できるのか、については解説していませんでした。

 ここで、小林禎作先生の『雪の結晶はなぜ六角形なのか』に紹介されていた巨大ステップバンチングを思い出したのですが、巨大ステップバンチングが見えている表面というのは、分子レベルの微斜面が不利と思えます。表面に疑似液体層があるときには、微斜面くらいは普通にありそうなので、巨大ステップバンチングの見えている面には疑似液体層は無いでしょう。
 さて、巨大ステップバンチングが出る温度と面の向きはどうだったか、微斜面のできる理論はどこに書いてあったのか、読み直してみます。

 トランプの神経衰弱みたいになってきました(^^;

参考:
黒田登志雄(1984).『結晶は生きている 〜 その成長と形の変化のしくみ 〜』サイエンス社
http://www.saiensu.co.jp/?page=book_details&ISBN=ISBN4-7819-0351-7

小林禎作著(2013).『雪の結晶はなぜ六角形なのか』ちくま学芸文庫  
[雪がくるくる回る?実験]小林禎作先生の話だと #mixi_diary 早咲の日記 2017/09/26/1962829814