魔女の小さな冒険

魔女のちいさな探検

ゆっくりゆっくり進みます。

重力と気体の熱力学

対流はどこまで?

地球の大気は上空80kmまで、一定の組成比です。それに対して、上空80kmでの酸素分子の落下速度は 70[cm/day] と見積もりました。天気予報とか見ていると、地球大気には対流とか偏西風とかいろんな風があります。ちょっとした風でも吹けば酸素はあっという間…

剛体球の落下の終端速度

前回は重力下の拡散のモデルから、上空80kmでの酸素分子の落下速度を 70[cm/day] としました。 今回は、剛体球の落下の終端速度から、酸素分子が空気中を落下する速度を計算します。まず、いろんなサイトから、それらしいものを拾ってきました。 [1]パラメー…

空気分子の拡散運動

地球の大気が、どうして高度80kmまで同じ組成なのか考えています。酸素は窒素より重いので、熱平衡状態では上空ほど酸素の少ない組成のはずです。 前回は、空気中の分子の平均自由行程 を調べました。拡散運動を考察するには、速度と平均自由行程が必要だっ…

分子の形

平均自由行程を計算するのに、窒素の大きさを調べていたら、今まで作っていたイラストのサイズを間違えていたことに気付きました(^^; 直径と半径を間違えるミスです。基本的すぎて痛いです。大きさも、分子の形状も、描き直しです。 分子はもう少し小さかっ…

気体分子の平均自由行程

平均自由行程の計算を書いたサイトを見つけました。 Vacuum Technology (Takagi Ikuji) - 付録A 真空に関係する理論 A-3 気体分子の平均自由行程 ここを見ながら、平均自由行程の計算を辿ります。がちがちの計算です(^-^) 結果は[6]です。 なお、分子は球形…

実際の空気の圧力は

熱平衡の空気の圧力で、国際標準大気の標準気圧をフィッティングしてみました。フィッティングはエクセルを使って手動なので、超ざっくりです。 本(もと)の関数はこちら。 [重力と気体の熱力学]重力下の気体の分布 #mixi_diary 早咲の日記 2019/02/28/197055…

重力下で散乱する気体−−−袋詰めを重ねたモデル×マクスウェルの速度分布

前々回、重力下で理想気体の温度、圧力、数密度を計算しました。圧力は上空に行くと指数関数的に低下して、この部分は実際の大気をうまく説明できていました。温度は一定で、実際の大気とは異なります。数密度は、窒素と酸素で分子の重さが異なるので、若干…

重力下の3次元スーパーボール気体−−−散乱がある場合

重力下の理想気体は、地上での速度分布をマクスウェル分布にすれば、上空での空気が指数関数的に薄くなっていく事がわかりました。理想気体ならば、温度は地表と変わりません。実際の空気は上空の方が気温が低いのですが、計算ミスでしょうか。 温度一定なの…

重力下の理想気体−−−マクスウェルの速度分布

重力下のスーパーボール気体は、上空に密度の高い部分ができて、いかにも不自然。前回はそんな結果で終わりました。今回は、地表での速度を一定ではなく、マクスウェル分布に変えてみます。ガチガチ計算ダヨ。 地表での1次元気体の速度分布関数をマクスウェ…

重力下の理想スーパーボール気体−−−袋詰めを重ねたモデルの圧力

前回の再考察です。 前回、スーパーボール気体を質量のない袋にゆるく入れて、角柱の内側に重ねて入れました。 前回のモデルはこうでした。袋 z を考えます。袋内には一定数 n(z)Δz 個のスーパーボール気体分子が入っています。袋内で分子は垂直方向のみ運動…

こんなのあった

こんなのあった! 「デジタル・デザイン・ノート」さんの記事 http://zakii.la.coocan.jp/physics/31_pressure.htm 空気の濃度をランダウ本のモデルで、温度分布を理想気体と同じ高度に比例として求めるようです。 参考文献は「一般気象学」小倉義光著となっ…

重力下のスーパーボール気体−−−袋詰めを重ねたモデル

前回のスーパーボール気体を重さのない袋にゆるく入れて、角柱の内側に重ねて入れます。それぞれの袋の高さが Δz になるよう空気の量を調整します。ここまでは、ランダウ本と一緒です。 ランダウ本と違うところは、袋内部の気体の温度や圧力をきちんと計算し…

スーパーボールモデル

今度は空気を相互作用のない気体として、密度分布を計算します。空気内の分子はお互いにぶつかり合わず、スーパーボールのように地上から上空まで跳ね回ります。 地表で30℃の窒素分子を考えます。30℃を速度に換算すると、519m/s、垂直方向zの成分は300m/sと…

重力下の気体の分布

熱力学がわかるかもしれないので、ランダウの物理学を開きました。これは筑波の古本屋で買ったものです。 感想はもう少し読んでから書きます。 すごく気になっていたのが、重力下の気体の密度です。高校の時に、父に物理はどうだと聞かれて 「今、気体を習っ…

上空9000メートル

「上空9000メートルから窒素分子を自由落下させると、地上で音速くらいになるよ。」と言ったら、夫に「何でそんな計算してるの?」と聞かれて返答に困りました。 正確には、30℃の窒素分子がどこまで跳ね上がるか、です。自分の中では画期的な計算なのですが。…