魔女の小さな冒険

魔女のちいさな探検

ゆっくりゆっくり進みます。

答え合わせ 高野陽太郎本より 丸山氏紹介 (理工系出版社)

重ね描き日記 / 読書メモ:鏡映反転 より

高野陽太郎(2015). 『鏡映反転――紀元前からの難問を解く』岩波書店
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4000052489/hatena-blog-22/

 この本の紹介ブログです。丸山氏の見え方については紹介していません。
「なぜ、鏡は左右だけを反転させるのか」について、この本以前の各説の紹介をまとめて書いてあります。

「移動方法説」鏡の中の像と実像を重ね合わせる操作として自然なものを考えると左右反転が残るとする。
「物体回転説」実物の「回転」の自然な方向によるとする。
「視点反転」自分の視点と鏡の中の自分の視点が合うように座標を変換する。(高野説の1つ目)
「対面遭遇スキーム説」普段よく見慣れた人との対面場面と比較が自然に起こるとする。

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 今まで見てきた見え方を、このように分類してみます。

「移動方法説」前野氏、井上氏(人物)
「視点反転」高野説
「物体回転説」(とね氏)(文字)、(大木氏)(文字)、井上氏(文字)、清水調査(3)
「対面遭遇スキーム説」(小亀説)、清水調査(4)
その他 
「左右軸の従属性」多幡説、「虹と雪、そして桜」2.3.、清水調査(2)、自分
「知識先行」清水調査(1)
「反転しない」小亀説、とね氏、大木氏、「虹と雪、そして桜」1.3.

結果
 同じ「視点反転」だと思っていた見え方でも、考えている手順はそれぞれ異なるとわかりました。どの見え方が標準ということはないとわかります。左右反転していないという主張も見え方としてここに並べました。
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 その他の感想です。「移動方法説」と「左右軸の従属性」、「移動方法説」と「物体回転説」、「視点反転」と「左右軸の従属性」の線引きがわかりません。
 「移動方法説」は、鏡の裏側に自分が回り込む想像(歩いて行く)
 「視点反転」は、鏡像に自分の顔をはめる想像(移動方法は自由)
 「物体回転説」は、鏡像あるいは自分を回転させる想像
 「左右軸の従属性」は、鏡像に座標軸を書き込む想像
と、勝手に解釈を変えました。
 「視点反転」は「移動方法説」とかぶりますが、寝転がって鏡と向かい合ったときににも拡張できます。(でんぐり返ると上を向いてしまいます。)「物体回転説」は、鏡像をその場で回しても良いし、鏡像が横に来てくれる想像でも良いです。手元の文字を回す場合もここに分類しました。「左右軸の従属性」は、本来鏡像の上下左右を合わせる操作を指します。しかし、ここに挙げたすべての説にこの操作が含まれるので、実像と直接比較しない場合に限定しました。


参考:(参照日2020年07月08日)
重ね描き日記(rmaruy_blogあらため)/ 読書メモ:鏡映反転
https://rmaruy.hatenablog.com/entry/2015/08/05/232735