魔女の小さな冒険

魔女のちいさな探検

ゆっくりゆっくり進みます。

沈殿速度だけでいい

 先日明け方に目が覚めてしまったときに、布団の中で考えました(^^;

 水溶き片栗粉は、スプーンでかき混ぜる代わりに、瓶をひっくり返しても作れます。重要な物理は、沈殿速度でしょう。
 重い大きなビー玉はすぐに沈殿します。片栗粉と同じ密度のプラ球も、みるみる沈みます。

 そういう想像で、ネット情報から沈殿速度を計算します。
 数式だと、空気中を落下する球体の場合、レイノルズ数が小さいとき(Re<2)終端速度 v は
v=(d^2 Δρ g) / 18μ
ここで、 d は直径、 Δρ は流体と球の密度差、 g は重力加速度、 μ は流体の粘性係数です。
 同じ密度だと、直径は小さければ小さいほどゆっくり沈殿します。

 片栗粉の値を代入してみます。
  μ = 1.0×10^(-3) [Pa・s] (20℃)
  d = 50 [μm] (馬鈴薯澱粉、分布幅あり)
  ρ = 1.4 [g/cm^3] (米の密度)
  g = 9.8 [m/s]
と見積もると、落下速度は
  v = 5.4×10^(-4) [m/s] = 3.3 [cm/min]
数分のオーダーで、良さそうです。

 米粒の場合は球ではありませんが、およそで、
  d(米) = 5 [mm] = 100d
  v(米) = 10000v = 5.4[m/s] (計算ミスがあって訂正しました。)
速い!速すぎです。レイノルズ数が 1 を突破していそうという意味では、それらしいです(^^;

 次回は、コロイドの考察に戻ります(^-^)

参考:
終端速度 - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B5%82%E7%AB%AF%E9%80%9F%E5%BA%A6
粘性係数 - 機械用語集
http://www.mterm-pro.com/machine-yougo/fluid-dynamics/water-air-bussei.html
でん粉の顕微鏡写真 | 三和澱粉工業株式会社
https://www.sanwa-starch.co.jp/hyakka00/hyakka03/hyakka03_01/#:~:text=%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%82%AC%E3%82%A4%E3%83%A2%E3%81%AE%E3%81%A7%E3%82%93%E7%B2%89%E3%81%A7%E3%81%99%E3%80%82,%E3%81%A7%E3%82%88%E3%81%8F%E4%BD%BF%E7%94%A8%E3%81%95%E3%82%8C%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82
米粒の密度
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsam1937/39/2/39_2_179/_pdf/-char/ja
米粒の大きさ
https://www.i-nouryoku.com/agora/koshihikari/vol05.html