魔女の小さな冒険

魔女のちいさな探検

ゆっくりゆっくり進みます。

モミジの種

 超久しぶりの落としてみたシリーズです。諦めていたわけではないです、飽きていただけです。(諦めるより性質が悪いね!)ちょっと休むと、楽しいですね(^-^)
 第39回、モミジの種です。

 去年の初夏ごろ、モミジの種を拾いました。モミジ類は、種が風で遠くに飛ぶよう、かざぐるまのようにくるくる回るように進化してきたと言われています。ところが緑の種を拾って落としてみたら、ちっとも回らなかったので、観賞用のモミジは本能を忘れたのかと思っていました。
 ところが、秋になって、茶色いモミジの種を拾って落としたら、くるくる回るではないですか!完熟すると回るのかと思って、ずーっと玄関に放っておいて茶色く干からびた種を落としてみたら、なんとこれも回りました。

 形状:モミジの種単体2個、モミジの種数個と茎がくっついているもの4個、カエデの種4個と茎がくっついているもの1個(写真の左から順に)
 種の長径:13〜16mm
 軸の長さ:30〜70mm
 気温:13.1℃
 てんぷら用の温度計を買ったので、気温が測れるようになりました!
 レイノルズ数Rnを求める動粘性係数は、10度と20℃の間を直線で補完して、1.45×10^{-5}[m^2/s]としました。

 実験です。種付を階段から1回づつ落としました。

 単体の種2個は風車のように速く回りながら、まっすぐゆっくり落ちていきました。回転速度は速すぎて良くわかりません。種の長径が16mmのものは落下速度V=0.91m/s、レイノルズ数Rn=1.0×10^3、15mmの種はV=0.86m/s、Rn=8.9×10^2でした。平均するとV=0.89m/s、Rn=9.5×10^2です。

 種4個に75mmの軸つきのものは、落ち方をよく見ていませんでした。あっという間に下に着きました。V=2.09m/s、Rn=2.4×10^3でした。

 種2個に軸つきで竹とんぼのような形のものも、あっという間に下に着きました。小さいほうは、速く風車のように回転しながらまっすぐ落ちました。羽二枚の両端が25mm、V=2.01m/s、Rn=3.5×10^3です。
 大きいほうは、斜め下に落ちました。羽二枚の両端が30mm、V=1.60m/s、Rn=3.3×10^3です。

 種3個に軸つきのものは、風車のように回転しながらまっすぐ落ちました。落下速度はややゆっくりに見えました。羽全体の広がりが25mm、V=1.52m/s、Rn=2.6×10^3でした。
 カエデの種4個に軸つきのものも、風車のように回転しながらまっすぐ落ちました。落下速度はややゆっくりに見えました。種の長径が18mm、広がりが38mm、V=1.23m/s、Rn=3.2×10^3でした。

 落ちた後をみると、くっついていた種はいくつか外れてばらばらになっていました。きちんと見られなかったものは、再測定は不可能です(;_;)

 風車のように回転しながら落ちると、落下時間は約2倍、落下方向はまっすぐ下になります。風が吹いていれば、落下時間の分だけ遠くに飛ぶので、いかにも遠くまで散らばりそうですが、サクラの花びらのようにマグヌス効果を使って自力で斜めに落ちたほうが、もっと遠くまで散らばりそうです。どちらが有利なのでしょう。

 回りながら落ちてくるという記憶が嘘ではなくてよかったです(^^;