魔女の小さな冒険

魔女のちいさな探検

ゆっくりゆっくり進みます。

銀の絵の具で水流調査

 落としてみたシリーズ第33回、水槽に銀の絵の具を入れました。これで、カルマン渦に引きずられてゆらゆら沈む様子を見ようという作戦です。
 プラ板は第31回で使ったものの中から、6角板を中心にいくつか使いました。


 水温は30℃くらい(手で測定)、水深は20cmです。

 形状:6角形、広幅六花、星状六花、樹枝状六花(緑)
 直径:12mm(ピンク、青)、15mm(黒、緑)、20mm(黒)、24mm(青)
 厚さ:0.2mm(青)、0.1mm(黒)、0.1mm以下(ピンク、緑)
 材質:プラ(材質は不明)
 流体は風呂の湯に、銀の絵の具と墨汁風のインクを入れました。

 実験です。
 試しに1枚、水槽の中央に入れてみましたが、全く見えないので、沈める位置を手前から4〜5cmに変更しました。本当はもっと手前の方が良く見えるのですが、壁に当たって縦になってしまうので壁から離しました。

 12mm6角板青は、3枚共、上向きにゆらゆらしながら沈みました。
 予想では、周りの水流が見えて、板幅の半分程度の小さな渦が板の上部に発生しては剥がれていくはずだったのですが、もやもやしすぎて見えません!板が通った跡が白く光って、ゆるい三つ編みの様になり、時間と共に太く拡がっていきます。
 ゆらゆら回数はどれも8回、速度V=1.1cm/s、レイノルズ数Rn=160、1回の往復でΔz=2.5cm沈みました。ゆれ幅は、板の輪郭がはっきり見えないので、測定できませんでした。

 12mm6角板ピンクの落ち方はそれぞれ、上向きからゆらゆらに移行、ゆらゆら、螺旋です。ゆらゆらのものは、ゆれ回数は10回、V=2.4cm/s、Rn=360、Δz=2.0cm。螺旋のものは、旋回数は9回、V=3.0cm/s、Rn=450、Δz=2.2cmでした。

 15mm6角板黒は、螺旋軌道から上を向き、まっすぐ沈みました。V=1.1cm/s、Rn=210、Δz=2.5cmでした。

 24mm6角板青は、2枚が、上向きでゆらゆら沈みました。ゆらゆら回数はどちらも5回、平均でV=0.97cm/s、Rn=280、Δz=4.0cmでした。

 12mm星状六花は、ピンク2つ全て上を向いて、ゆらゆらしながら沈みました。ゆらゆら回数は9回、V=2.3cm/s、Rn=340、Δz=2.1cmでした。

 20mm広幅六花黒、24mm星状六花青2つ、15mm樹枝状六花緑は、上を向いてまっすぐ沈みました。
 雪の形が沈むときの絵の具の様子は、雪の形のすぐ上にまっすぐな筋が縦に残ります。枝と枝の間を水が通り抜けていくように思えます。あるいは、枝で空気に切り込みを入れているのかもしれません。筋は乱れないので、通った跡に渦は無いようです。
 20mm広幅六花黒はV=0.76cm/s、Rn=190。24mm六花青は広幅の方がV=1.2cm/s、Rn=360、細い方がV=0.96cm/s、Rn=290です。15mm樹枝状六花緑はV=0.69cm/s、Rn=130でした。

 沈め終わってから全体を見てみたら、全体に大きく対流模様がついていて、プラ板を沈めた部分が下降流、両サイドが上昇流になっていました。荒木健太郎先生の本に、雪が周りの空気を引きずって降りて来ると書いてあったと思うのですが、まさに引きずり跡を再現したかのようです。

 せっかく絵の具を入れたので、定規でカルマン渦を作って見ました。・・・何だかわからないぐちゃぐちゃができました。鉛筆でやってみても、微妙です。流体力学のテキストに載っているようなのって、意外と難しいことがわかりました(T_T)

 次回は、プラ板に、墨とかインクとか塗ったものを沈めてみたいです。何が良いんだろう。