魔女の小さな冒険

魔女のちいさな探検

ゆっくりゆっくり進みます。

樹状結晶の成長速度理論

 私が学生の時に、O教授が、
「樹状結晶の成長速度を決める理論が無い。」
とおっしゃっておりました。そういうわけで、勉強してみましたが、考えがまとまりませんでした。表面張力を入れて、マリンス・セカーカ不安定性(MS)の様な見積もりをするのだろうけれど、はて。

 今朝(11/3)、子供に腕枕をしてやりながら、久々にこれを思い出していました。
 樹状結晶は、最速で成長するのが良いでしょう。MSと同じだヨ♪
 拡散律速の理論だと、放物線の形の結晶の先っちょが、細ければ細いほど速いです。分子を一つずつ積み上げていけば、最速です(^-^)
 表面張力のある系だと、臨界半径とかあって、小さ過ぎる先端は成長しません。黒田登志雄先生の解説に載っていた、ウイスカーの写真は、太いものほど大きく、成長が速いです。

 最速の樹状結晶は、間を取って、中くらいの太さになるのでしょう。過冷却液相から結晶化する樹状結晶先端を想像します。
 まず、樹状結晶の先端の絵を、キレイな2次元放物線で描きます。本物と若干ずれますが、ここはフーリエ変換的な事をして、基本モードが放物曲線だとします。周囲に等温線も描きます。
 次に、樹状結晶先端の部分の等温線の数値を、先端の曲率(a)に合わせて下げて書き込みます。すると、CGっぽく等温線が減ります。このとき、側面の部分は曲率が小さく、過冷却になるので、不安定。側枝を肯定してそうで、良い感じです。
 樹状結晶の成長速度vを、過冷却温度Tで表すと、関数形は忘れましたが、大雑把に、
 v=aT
とします。尖ってるほど速いヨ。
 表面張力があると、過冷却温度がちょっと小さくなるから、これも後から係数調べる事にして、
 v=a(T-a)
尖り過ぎると止まるヨ。
 最高速度は、曲率aで因数分解して、
 (T/2)^2
出来た〜(^∇^) 雑!


 起きてから、黒田登志雄先生の解説をぺらぺらめくってみたら、表面張力の項は対数関数で何やら書いてありました。何だとう!?
 紙と鉛筆が必要ですな。


==== 2016-11-07 11:48
この考え方は、黒田登志雄先生の、「結晶は生きている」p.240〜241に載っていますな。ポンチ絵で! これは黒田先生の考案?数値が入っていないのは、どんな意味があるのかしら。続いて紹介のランガー&ミュラークラムバールでは、先端速度は一意に決まらないはず。私が読んだ印象ではこれは、美しい側枝の出る条件を提示したものでした。側枝がガチャガチャでも、先端速度は決まって欲しいです(願望)。